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スズメバチに注意
ハチの活動時期は春から秋ごろですが、攻撃性が高まるのは8月から10月頃です。
実際、ハチに刺される患者数は毎年8月ごろがピークとなり、この時期には特に注意する必要があります。
主なハチの種類として、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチがあります。
特に、スズメバチとアシナガバチは毒性が強いため、以前に刺されたことのある場合には、ハチ毒アレルギーによるじんましん、呼吸困難、血圧低下などのショック症状をおこし命にかかわることがあります。
屋外での注意事項
特に山間部に出かける際は注意が必要です。
- ハチやハチの巣を見かけたら近づかない。その場から離れる。
- 服装は白を基調としたぴったりしたものを着る。
(黒い服や花柄・ヒラヒラした服は避ける) - 匂いの強い香水・化粧水や整髪剤をつけない。
- ハチの動きが活発な秋口は特に注意する。
ハチに刺された時の対応
どのハチにも共通した対処法
1.ハチのいる場所から遠ざかり、安全を確保する。
可能なら、ハチを刺激しないよう静かに屋内などへ退避する。
2.傷口を圧迫し毒を絞り出す。
- 傷口に針が残っている場合は、毒がさらに入り込まないよう静かに抜く。
- 傷口周囲を圧迫し毒を絞り出す。(流水で傷口を洗い流すと効果的。)
(注意)口で毒を吸い出す方法は、口の中の傷からハチの毒が侵入する可能性があるのでやめる。
3.傷口に薬を塗り、冷やす。
- 毒を絞り出しながら流水で患部を流した後は、抗ヒスタミン系成分を含むステロイド系軟膏(一般に虫刺されの薬として市販されているもの)があれば塗る。
- 痛みを和らげるため保冷剤などをタオルに包み、患部を冷やす。
(注意)尿をかけると傷口が雑菌に感染する可能性があるのでやめる。
4.じんましん、呼吸困難、血圧低下などのショック症状に注意する。
- 刺された直後は、安静にして様子を見る。
- 刺されてから数分から30分以内に呼吸困難、動悸、血圧低下、吐き気、めまい、意識障害などの複数の症状が出た場合は、一刻も早い応急処置と医療機関への受診が必要。
ハチ毒アレルギーによるショック症状が出た時の対処法
すでにハチに刺されたことがある人は、ハチ毒アレルギーを持っている可能性があります。
一般的に2回以上ハチに刺された場合、ハチ毒アレルギーによるショック症状を発症する可能性が高くなると言われています。
ショック症状
呼吸困難・ゼーゼーという呼吸音・血圧低下・冷汗・動悸・めまい・しびれ・耳鳴り・全身の腫れ・かゆみ・全身性のじんましん・顔面蒼白・意識障害・けいれん
対処方法
ショック症状が発症した場合は、一刻も早い応急処置と医療機関への受診が必要です。
- 「エピペン(アドレナリン自己注射薬)」を持参している場合は、エピペンを注射する
- 救急車を呼ぶ
- 頭より足を高くして安静にする
- あおむけに横たわり、膝の下に枕になるものを入れ15センチメートル~30センチメートルほど足側を高くする。
- 頭を低くして血液を集中させるため頭に枕は入れない。
- 救急車が到着するまで、このまま安静にする。
- 嘔吐による窒息予防のため、顔は横に向ける。