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クリミア・コンゴ出血熱
海外でダニに咬まれないようにしましょう
クリミア・コンゴ出血熱は発熱と出血をきたすウイルスによる疾患の一つで、中国西部、東南アジア、中央アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカで発生しています。多くの動物に感染し、人がかかると死亡する可能性が高い重大な疾患です。
感染経路
ウイルスを持ったダニに咬まれることにより感染します。また、感染した動物や患者の血液や体液に直接触れることにより感染します。
症状
ダニに咬まれてから通常1~3日、感染性の血液に触れてから通常5~9日で、突然の発熱、頭痛、筋肉痛、リンパ節の腫れ、発疹、血便、鼻血などの出血症状がみられます。症状出現後2週間程度で約30%が死亡します。回復する場合には、症状出現後9~10日で症状が改善します。
治療
特別な治療法はなく、症状に応じた治療が行われます。
予防
ワクチンや予防する薬はありません。
ダニが特に活動が活発化する時期(春から秋)、ダニが多数生息する地域への渡航を控えます。屋外ではDEETを含有する虫よけスプレーを使用し、衣服や肌にダニが付いていないか確認し除去します。
流行地域では家畜を含む動物にむやみに近づかないようにします。また、動物の血液に触れてはいけません。
ダニに対する虫除け対策
- ダニに汚染されている地域に行くことをできるだけ避けましょう。
- ダニは家畜やペットの体にも寄生します。ダニによる病気がはやっている地域では、動物に触らないようにしましょう。
- 袖先がぴったりとした、色の薄い長袖の服を着てください。ダニがついたり、ダニに咬まれたりすることを予防できるだけではなく、衣服についたダニを見つけやすくなります。
- 皮膚の露出した部分と服に、DEET(ディート)などの有効成分が含まれた、虫よけ剤を使ってください(衣服の下には使わないようにしてください)。特にダニの付着しやすい場所は、頭皮、乳房下部、ウェスト、わきの下などです。
- ダニが多い地域で長時間仕事をする人は、衣服に、虫よけ効果と殺虫効果のある、ペルメトリン(日本では人用には売られていません)を染みこませておくことも考慮します。ただし、ペルメトリンは皮膚につけてはいけません。
- ダニに咬まれた場合
ダニを発見したら、ダニの体内や傷ついた皮膚からでる液体に病原体がいる可能性があるので、できる限り直接手でダニを取ったり、つぶしたりしないようにしてください。
可能であれば、皮膚科でとってもらうのが無難です。
自分でとる際には、毛抜きや先の細いピンセットを用いて、できる限り皮膚に近い部位でダニをつかみ、ダニの口の部分を壊さないようにゆっくりと上に持ち上げ、ダニを除去します。咬まれた傷は消毒します。
マダニ類の場合、早くとった方が病原体の感染のリスクは低くなります。
クリミア・コンゴ出血熱について(厚生労働省ホームページ)<外部リンク>
渡航中は、ダニに噛まれないでください!(リーフレット)<外部リンク>
クリミア・コンゴ出血熱とは(厚生労働省検疫所)<外部リンク>