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十界図、釈迦涅槃図

ページID:0003709 更新日:2023年2月28日更新 印刷ページ表示

十界図、釈迦涅槃図

 いずれも江戸時代後期に江野楳雪によって描かれた仏教画です。
 十界(十法界)は仏・菩薩・縁覚・声聞の四聖と、天・人・阿修羅・畜生・餓鬼・地獄の六道のことで、十界図は六道輪廻の苦界から脱した後、仏を目指す仕組みを図解したものです。中央から放射状に各界が描かれており、上部に仏界を表す阿弥陀如来坐像、下部に閻魔大王が裁きを下す地獄の世界を描いています。人道界には、公卿のほか、江戸時代の身分制度である四民(士農工商)が描かれています。また中央に描かれた「心」の字も特徴的で「歓心十界図」と分類されています。
 釈迦涅槃図は仏教を開いた釈迦が入滅する、いわゆる「涅槃」の様子を描いた図で、釈迦の誕生仏図とともに、仏教にとって重要な画題です。釈迦の入滅した2月15日などに掛用するために、ほとんどの寺院で作られました。沙羅双樹の下で横たわる釈迦を中心に、弟子を含む多くの人々をはじめ、さまざまな動物が嘆き悲しみながら周りを取り囲む様子が描かれています。また天から釈迦の母である摩耶夫人が投げ込んだ薬草が、沙羅の樹に引っかかり、わが子に届けられなかった様子が描かれています。背景に描かれた波紋は作者である楳雪の描いた釈迦涅槃図に共通する特徴といえます。
 楳雪は、文化9年(1812年)に松山町(現在の本町1丁目)に生まれ、主に幕末から明治時代に活躍した絵師です。十界図・釈迦涅槃図ともに江野家の菩提寺でもある曹源寺にあり、特に釈迦涅槃図は現在も2月から3月のお彼岸まで掛用され、拝観することができます。

十界図の画像
十界図

釈迦涅槃図の画像
釈迦涅槃図

所蔵

本町1-5-3(曹源寺)

指定年月日

昭和60年(1985年)7月17日(東松山市指定文化財-絵画)