梶田隆章先生の父、正男さんと母、朋子さん、妹の渡部真由美さんにお話を伺いました。
父:梶田正男さん(左)、母:朋子さん
正男さん:昨年、物理学賞で3名の方が受賞をしていたので、今年はないだろうと思っていました。テレビで息子が受賞したと知り「えっ!本当に」と、とても驚きました。テレビで息子の映像を見て、本当にノーベル賞を取ったのだと実感しました。
朋子さん:はい、発表後すぐに電話がありました。「おめでとう、よかったわね!」と声をかけ、もっと話をしたかったのですが、隆章もこれから忙しくなると思い、電話を切りました。
朋子さん:とてもうれしそうでした。
正男さん:勉強も遊びも全て普通の子どもと変わらないと思います。隆章が幼い頃に、うちは農家をしていましたので、兄弟でかけっこをしながら、田んぼのハンデかけの手伝いをしてくれたり、近所の水路でザリガニ釣りをしたりしていました。
ただ、勉強や遊びはメリハリがあって、集中はしていたと思います。中学生の頃だっと思いますが、この地域の地質の分布を調べて、表にまとめたことがありました。埼玉県だったか、この地域だったか、あまり覚えていませんが代表となったことなどがありました。
朋子さん:ものを作ったりすることよりは、とにかく本を読むのがものすごく好きで「目が悪くなるから、少し休んだら」と話しても、隠れて本を読んでいました。本人は隠れていたつもりでしょうが、私には本を読んでいることは分かっていましたよ。
真由美さん(妹):年が離れていましたので、とてもよく遊んでくれました。追いかけっこをしても私が速く走れなかったので、兄はちゃんと待っていてくれたりしたことを覚えています。
朋子さん:あまり、そのような会話をした記憶はないのですが「博士になりたい!」と言っていたことはあったと思います。
朋子さん:隆章も忙しいので、お盆に帰ってきたり、お嫁さんから電話やお手紙をいただいたりしています。自分がノーベル賞を、という話ではありませんが、今度はあの先生がとったり、共同研究をしているあのアメリカの方がとるかもしれないね、などの会話はしたことがあります。
正男さん:これは、恩師の小柴先生がノーベル賞を受賞したときの様子が掲載された冊子がありましたので、それをコピーしたものです。
研究者として、やはりノーベル賞をとってもらいたいという思いから飾り始めました。
朋子さん:「これからますます忙しくなると思うので、どうか体にだけは気をつけて」と伝えたいですね。
正男さん:「研究者としての夢だった賞を受賞することができたので、本当におめでとう」と伝えたいです。