箭弓稲荷神社元宮は、箭弓稲荷神社本社殿の背面に鎮座する高さ2.3メートルほどの小さな社です。一間社流造(いっけんしゃながれづくり)と呼ばれるつくりで、屋根は杮葺き(こけらぶき)です。周囲には精度が高い彫刻が施されています。これらに極彩色が施されていることから、江戸時代中ごろ(享保年間・1716年~1735年)に作られたことが推定できます。社の設計企画(木割)は、当時普及していた複数の木割をうまく組み合わせており、木割を十分に理解しつつ、社殿の美しさを追求する独自の設計能力を持った大工棟梁の存在がうかがえます。
箭弓町2-5-14(箭弓稲荷神社)
平成26年(2014年)3月25日(東松山市指定文化財―建造物)