伝染性紅斑は、「りんご(ほっぺ)病」ともよばれ、10歳未満の子供に多く、感染すると風邪のような症状が出た後、頬に赤い発疹が出る病気です。7月上旬にかけて患者数が増加する傾向があります。手洗い、咳エチケットなどの対策を心がけて、感染予防に努めましょう
伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19に感染することによって起こる病気です。主な感染経路は、患者の咳やくしゃみなどのしぶき(飛沫)に含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛沫感染」や、ウイルスが付いた手で口や鼻などの粘膜に触れることによる「接触感染」があります。
10~20日の潜伏期間の後、両頬に境界鮮明な紅い発疹が現れます。頬の発疹に続いて、手、足に網目状の発疹が現れますが、これらは1週間前後で消失することがほとんどです。 頬に発疹が現れる7~10日くらい前に微熱や風邪のような症状が見られ、この時期にウイルスが最も多く排泄されます。発疹が現れた時には既にウイルスの排泄はほとんどなく、感染力はほぼ消失しています。
また、妊娠中に感染した場合、まれに胎児の異常(胎児水腫)や流産が生じる可能性があります。
伝染性紅斑には予防接種はありません。手洗いや咳エチケットなど一般的な感染予防対策をしっかり行うことが重要になります。
妊娠中あるいは妊娠の可能性がある女性は、できる限り患者に近づくことを避けるように注意することが必要です。