最近になって存在が知られるようになった 、マダニ媒介による新しい感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の感染」により国内で死亡症例が確認されています。SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染しますが、すべてのマダニがこのウイルスを持っているわけではありません。このほかにダニの媒介する感染症としては、日本紅斑熱やライム病が知られています。
マダニは、県内の草むらや藪(やぶ)などにおいても生息しており、特に春から秋に向けて、活動が活発になってきます。
野外で活動する際、マダニに咬まれないよう注意することが大事です。
マダニは、食品等に発生するコナダニや衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとは種類が異なります。
マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3ミリメートルから4ミリメートル)のダニで、吸血すると10ミリメートルから15ミリメートルになります。日本全国に分布しており、主に森林や草地に生息していて、吸血源の動物が通りかかるのを待ち伏せします。市街地でも見られることがあります。
これらの感染症に感染しないようにするには、マダニに咬まれないようにすることが重要です。
特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意しましょう。農作業、レジャーや庭仕事など野外で活動する際には、次の点に注意が必要です。
(1)草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合は、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出を少なくしましょう。
(2)肌が出る部分には防虫スプレーを噴霧すると効果的です。
(1)屋外活動後は、マダニに咬まれていないか確認してください。(痛み、かゆみは、あまりありません。)
(2)吸血中のマダニに気付いたときは、自分で取ろうとせず、医療機関(皮膚科・外科)で処置しましょう。
(3)マダニに咬まれた後に発熱等の症状があった場合は、医療機関で受診してください。
パンフレット「マダニ対策、今できること」(国立感染症研究所)