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鉄製短甲が出土更新日:2012年12月12日

鉄製短甲が出土

鉄製短甲が出土

 東松山市加美町地内の東耕地3号墳から鉄製短甲が出土しました。

古墳の築造年代は、出土した土器及び短甲などの武具類から

5世紀後半頃と思われます。

この短甲は、薄い鉄板を組み合わせ鉄鋲で留めてつくられた

横矧板鋲留短甲と呼ばれるものです。

大きさは、最大幅46cm・最大高43cmです。

全体の様子から横矧板鋲留短甲の中でも古い型式のものと思われます。

埼玉県内の短甲の出土は、伝承も含め3例しか確認されておらず、正式な発掘調査によって

発見されたのは初めてのもので、短甲を含めた埋葬形式を知ることができることから貴重な発見になります。

県内に残されている1例・深谷市四十塚古墳出土短甲(県指定)に較べ、残り状態が良く

全体の姿を知ることが出来る貴重なものです。

当時は、百舌鳥古墳群・古市古墳群(大阪府)を形成していた集団がヤマト王権の中心であり、

甲冑類の供給の中心的役割を果たしていたと考えられています。

こうしたことから今回、東松山市の小さな円墳に、畿内から供給されなければ持ち得ない短甲が出土したことは、

この地域がヤマト王権の関東の要の一つとして位置づけられたと思われます。

そして、当時勢力をもった稲荷山古墳を主としたさきたま政権との関係においても東松山市が重要な関係にあったとも想像されます。

今後、保存処理・整理作業をすすめ貴重な武具などから古墳時代の金工技術、埋葬方法を知る手がかりを明らかにし、

畿内と関東および周辺地域における当時の様相を知る手がかりを示していきたいと考えています。

場所

埼玉県東松山市加美町地内

調査原因

市の川特定土地区画整理事業による宅地造成

検出遺構

古墳時代中期(5世紀後半代) 古墳1基(円墳)

推定直径約25メートル(墳丘直径約19メートル) 現存高 約1.6メートル

埋葬施設 竪穴系主体部1基(粘土槨(ねんどかく)に木棺と思われる)

粘土槨の大きさ・形状 東西約3.3メートル×1.2メートル 長楕円形

木棺部の大きさ・形状 東西約2.1メートル×0.6メートル長楕円に近い隅丸長方形

出土遺物

  • 棺内遺物

(武具) 鉄製短甲 1領(横矧板鋲留短甲(よこはぎいたびょうどめたんこう))

大きさ 最大幅約46センチメートル×最大高約43センチメートル

鉄製大刀 1振 幅約3センチメートル×長さ約78センチメートル

鉄製剣 1振 幅約3.5センチメートル×長さ約61センチメートル

  • 棺外遺物

(武具) 鉄製矛 1振 幅約4.5センチメートル×長さ約18センチメートル

鉄鏃 10点程度

ほか鉄製品

  • 主体部上

(土器) 須恵器片 甕片・高坏カ脚部片

  • 周溝内

(土器) 土師器 壺・坏片

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